豊田工業高等専門学校
電気・電子システム工学プログラム

豊田工業高等専門学校 電気・電子システム工学科(以下、本科) における第4年次、第5年次の2年間、 ならびに専攻科電子機械工学専攻(専攻区分:電気電子工学)(以下専攻科) の2年間における教育を通じて行う教育プログラムを 電気・電子システム工学プログラムと名付けました。 同時に、本科入学以降第3年次までの教育もまた、 その教育到達目標を達成するために欠かせない、 基礎的な教育課程と位置づけています。

本教育プログラムの教育到達目標は下に示してありますが、 これは、どのような資質を持った学生を 電気・電子システム工学プログラムの修了生として世に送るかを示したものです。 本科の卒業生の内、 このコースの前半を履修した卒業生にあっても、 この目標に示す一定の基礎的な知識、 あるいは創造性を身につけた実践的な技術者として世に送り出そうとするものです。 この教育の目指すところは、 それぞれの学生が電気・電子システム工学の しっかりした基礎知識を身につけるだけでなく、 技術(ものづくり)の使命と社会に与える影響を自覚し、 問題解決能力を持つ技術者を養成しよう」というものです。

(履修の手引きより抜粋)
教育プログラム

電気・電子システム工学プログラムでは,以下のような学生を受け入れています.
  • 本校の第3学年までの一般教育、専門教育などの基礎を十分に身につけている人
  • 本校の教育目標を理解し、それに向かって鋭意努力する意志を有する人
  • 自然科学や工学、および国際的コミュニケーション能力を学ぶための基礎を身につけている人
電気・電子システム工学プログラムで育成しようとする自立した技術者像とは
「高い課題設定・解決能力を備えた実践的・創造的技術者」
をいいます

A. ものづくりのできる技術者をめざす.

社会の変化と要請を的確に捉え, ものづくりの使命と役割りを把握するとともに, 電気・電子システム工学および関連分野を広く学び, 基礎技術を身につける.

A-1 電気エネルギーの運用(発生,輸送,変換)に関する原理,実用化への問題と代表的な解決策を説明できる.
A-2 制御対象の特性を表現した数式や図を用いて,安定性を考慮した制御システムを設計できる.
A-3 エレクトロニクスに関する知識,特にICを構成している電子素子の動作原理を理解し,それを応用した電子デバイスの利用技術や計測技術を身につけている.
A-4 コンピュータを利用した情報の保持・変換・伝達のための概念を理解し,説明できる.
A-5 電気・電子システム工学の基礎知識・技術が,ものづくりの現場や実験実習の中でどのように生かされているかを認識し,理論学習の出発点としている.
A-6 電気・電子回路の設計および実験実習を通してものづくりに必要な実践的知識とスキルを身に付けるとともに,安全意識を身につけている.

B. 基礎学力のある技術者をめざす.

実験・実習で培われる豊かな体験を出発点として,自主的に学習する姿勢を身につけ,自然科学および電気工学の基礎理論を深く理解する.

B-1 自然科学の事象を数式や図等を用いてモデル化できる.
B-2 自然現象,特に物理現象に関する諸量を理論に基づいて導出できる.
B-3 電気・電子回路の基礎的内容である交流の定常現象について,物理的概念を理解し,電圧・電流値等を導出できる.
B-4 電気磁気学の基礎的内容である静電界,静磁界の事象を理解し,それらに関する必要な諸量を,理論に基づいて計算できる.

C. 問題解決能力を持つ技術者をめざす.

問題意識と考える力を基礎とし,問題を提起する能力と,問題の解決策を豊かな発想で創造し,解決に向けて,計画,実践する能力を身につける.

C-1 研究の背景を自ら調査・整理し,よく理解している.
C-2 技術的な問題点や社会における課題を明確にした上で,研究目的を設定し,研究方法を設計できる.
C-3 専門的知識や技術レベルを考慮したうえで研究日程を立案・実行し,必要に応じて修正することにより,計画的,継続的に研究できる.
C-4 工学的手法によりデータを解析し,考察できる.
C-5 複数の解決案を比較検討する等により,解決策を選択できる.

D. コミュニケーション能力を持つ技術者をめざす.

日本語による論理的な記述力,明解な口頭発表能力および十分な討議能力を身につけるとともに,国際理解を深め,英語での記述力と口頭発表能力および討議能力の基礎を身につける.

D-1 実験・研究内容を整った章立てに従い,分りやすい日本語で記述できる.
D-2 研究内容を聴衆に合わせて分かりやすい日本語で発表できる.
D-3 他者の発表内容を理解し,的確に質問できる.
D-4 基本語彙からなる英文を,日本語を介することなく読み,大意を把握できる.
D-5 自律的,継続的な学習により,TOEIC450点相当以上の英語運用能力を身につけている.

E. 倫理観持つ技術者をめざす.

日本や世界の文化や歴史をよく認識し,技術が社会に与える影響を理解し,自らにも社会にも誠実で,技術者としての誇りと責任感を持つ.

E-1 技術者の責任,倫理的問題と解決策の事例を知り,自ら考える素養を持つ.
E-2 技術と社会の関わりを歴史から学んでいる.
E-3 社会の仕組みと歴史を知り,他者・他国の立場から物事を考えることができる.
E-4 日本と国外の文化の差異を認識している.
E-5 社会における技術者の役割および技術と人類の豊かさとの関係を理解している.
コンセプトツリー