• ミュンヘンの公共交通機関には市電、地下鉄、バス、トラム(チンチン電車)がある。ミュンヘンの主な観光場所を見て回るにはSingleTageskarteXXL(5.5EUR=約600円)の一日乗車券がお得である。翌朝6時まですべての乗り物を一定区間自由に乗り降りできる。駅には改札がない。だから駅員に切符を見せる必要がない。例えは悪いが、キセルをしようと思えば簡単である。通常、切符は駅のホームやバスの中などで買い、地下鉄入口やバス、トラムなどの中にある打刻機で乗車日の日付を刻印して乗車するシステムである。買った切符には自動的に日付が入っていないのでいつでも使用可能である代わりに切符を持っているだけでは有効期限が明示されていないため、キセルとみなされる。たまに切符の検札が回って来る。そのときに切符を持っていなければ通常の6〜7倍(ミュンヘン交通局の場合)の料金を取られた上、氏名や住所をチェックされる。ブラックリストに載るわけだ。私はたまにしかミュンヘンに行かなかったが、一度だけ検札に出会ったことがある。何食わぬ顔で入ってきておもむろに切符を見せてとやるわけだ。通常2、3名で連れ立っている。少し離れたところで一人の若い女の人が住所と名前を紙に書かされていた。私の周りにいたほとんどの人が切符を持っていた。ドイツ人には失礼だが、もう少し多いんじゃないかなと思っていた。ドイツでは外から規制されるのではなく、自主的にルールを守るというシステムの上に成り立っていることを実感することが多い。